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「ジャック・ニコルソンというのは、如何ですかな。略してジャッキーとお呼び下さい」
恭しく頭(こうべ)を垂れる。
僕が噛んだのはスルーですか。そうですか。
「もう何が何だか……」
頭を掻いて顔をしかめる僕。
「ジャッキーって呼んだら満足するんですね? では。ジャッキーさん、改めて確認しますよ。願い事の内容に制限でもあるんですか?」
「その通りです。禁じ手が、幾つか。有名処では『お願い事の数を増やして』という類いのモノがありますな」
首を振り苦渋の表情を浮かべるジン、じゃなくてジャッキー。
「実に嘆かわしい。浅ましい限りではありませんか。勿論、お手付き様はそんな馬鹿な事は微塵も思い付かなかったと信じています」
そう言って僕の顔を繁繁と見詰める。
刺すような視線ですよ?
どうしてなんですかジャッキー?
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