光の射す方へ

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  これで……もう……会う事はない…… 多分……一生…… まだ決定ではないけど、拓海が4月から離島に赴任するかもしれないと、あの後、哲と一緒に迪香の家に行った時に聞いた。 披露宴の時に、元教員だった迪香のお父さんから、そんな話が出たのだという。 その時は断ったが、数日後にやっぱり前向きに考えたいと言って来たらしい。 だから彼は…… 近くにいると抱き締めてしまいたくなるから離れようって、こう言う意味だったんだ…… だから忘れないでって言ったんだ…… 拓海と一夜を過ごした数日後に真実を知った。 もう、会えない…… そう思った瞬間―― 教室を後にしようと歩き出していたまひるは、無意識に振り返っていた…… .
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