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すっかり浅黒くなった拓海の肌は、島と海によく馴染んでいた。
今日も拓海は薄暗い海辺を歩きながら、夜空を仰ぎ月を眺める。
そして、月を眺めながら貴女を想う。
貴女を思い出さない日は一日もない。
貴女を思い出して眠れない夜を何度も過ごした。
遠く離れた事を後悔した夜もあった。
逢いたい衝動に駆られ、苦しくなる夜もあった。
俺の事なんて忘れてしまったかもしれないと、虚しくなる夜もあった。
今は――
苦しくないと言ったら嘘になる。
でも……
貴女が幸せだったらそれでいい……
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