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拓海はこの島に来てから、買い物は専らインターネットに頼っていた。
日課でもあり、楽しみにもなっているモール巡り。今日もパソコンの前に座り込む。
モールをあちこち巡っている内に、ふと、一つのバナーが目に付いた。
何故かそのバナーに引き込まれるように拓海はクリックする。
すると――
パッと開かれたパステルカラーのページは、初めて見るのに、まるでその空間を知っているかのような感覚に陥った。
拓海は直感する。
ゆっくり下へ下へとスクロールする。
やがて、スクロールする拓海の指がピタッと止まった。
身体の動きは全て止まり、拓海の神経は、視線の先にあるその画面に集中する。
ずっと、ずっと……画面を見詰め続ける拓海。
次第に画像が霞んで見えなくなる。
そして、拓海の目から零れ落ちる大粒の涙――
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