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「はい!えっと、あの‥‥2年B組の有宮椛(ありみや もみじ)ともっ申します!好きな読書は趣味です!好きなリンゴは食べ物でっ」
「うん。もうちょっと落ち着こうか。主語と述語がおかしなことになってるよ。」
彼女は混乱しているようだ。
「…おっ落ち着く…落ち着く」
自分で暗示をかけるように呟くと、次第に落ち着いてきたようで、ゆっくり顔を上げた。
「大丈夫?自己紹介してくれたから僕もするね。2年D組の皆瀬樹(みなせ いつき)です。」
「し、知ってます!ゆ、有名ですから。」
頬を赤らめ、また少し俯いた。
何だこれ…なんかすごくドキドキする。
「そうなんだ…僕も君のこと知ってるよ。」
「えっ!」
「屋上って居心地良いよね~」
彼女は何の事か分からないというような顔を浮かべてから途端に、沸騰してるかのように顔を真っ赤にした。
「み!?みみっ見てたんですか!!」
まさに、あわあわという表現がぴったりなほどの可愛い慌てように、思わず笑みがこぼれた。
「君の反応ほんと面白いね。…ねぇ…放課後限定でもいいから、僕と友達になってみません?」
「ぅえ!?」
「よろしくね、有宮さん」
その後彼女は力尽きたようにイスから転げ落ちた。
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