兎でメリークリスマス

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『『メリークリスマス!!』』 パンパンッ 盛大にクラッカーの音が鳴る。 「…………先輩…煩いです。」 耳元で、ね? 今日は12月25日。 ある人達は楽しいクリスマス。 または、ある人達は淋しいクリスマス。 あれ?それはイブだっけ? ま、いいや。 僕にとってのクリスマス…… 家族となんて、めったにしたことがないクリスマスは、これといって興味が無い。 だから今年も、何時もと変わらない一日だろう。 なんて考えた僕は………どうなんだ? さかのぼること……5分?前 ── ─ 「んー…っ…暇だぁ」 ぐーっと天井へ組んだ腕を伸ばす。 本当に暇だ。 でも、まぁ、今日一日部屋でまったりとくつろぐのも良いかな。 そう思い、部屋にいれば ピンポーン 一つの呼び鈴。 「はーい!」 ソファーに座っていた僕は、髪と眼鏡を確認しながら玄関へと向かう。 ガチャ 「わっ」 少し開けたドアは、訪問者によって盛大に開かれた。 『『メリークリスマス!!』』 パンパンッ 目の前には真っ赤の服にモサモサの白髭を身につけた………沢山のサンタさん。 「…………先輩…煩いです。」 というわけだ? 「愁兎ぉ!クリスマスだよぉ!ク・リ・ス・マ・ス!」 一番小さいサンタさんが手にビンを二つほど持ち、部屋へと入ってくる。 「白井先輩。何持っているんですか?」 「いいのいいの!お楽しみだからさ!お邪魔しまーす!」 白井先輩をきっかけに次々と部屋に上がり込むサンタさんに、?が浮かぶばかりだった。 なんなんだ?この人たち… 玄関に一人頭を悩ませていれば 「……ん…愁兎……」 背後から肩に重みがかかる。 「どうしました?雛李先輩?」 僕はそのままに見上げれば、皆と同じように赤い服に身を包んだ雛李先輩が僕の肩に顎を乗せていた。 「……サンタ……似合う…?」 ぎゅっと腕に力を入れ僕に体を預けてくる先輩に、ま、いいかと笑みがこぼれた。 「とても似合ってますよ。さ、先輩も上がりましょ?」 、
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