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「愁兎、チョコ欲しい?」
僕の手を握り、小さな包みからチョコを取り出した。
「チョコぉ?」
「うん、チョコ。いらないの?」
チョコ
「いるー」
そう言ったのにもかかわらず白井先輩はぱくりとチョコを食べてしまった。
「あー…愁兎のぉ…」
残念そうに眉を下げる愁兎に僕は口に含んだだけのチョコを唇にくわえてみた。
「ん」
すると、愁兎は何の迷いもなくぱくりとチョコにくわえ着いてきた。
さすがの僕も、まさか食べるとは思ってなくてビックリしたものの、酔った愁兎はよく笑い、感情に素直で、なんだか今の方が本当の愁兎みたいで可愛かった。
はむはむとチョコを味わう愁兎の頭を撫でる。
しぃーちゃんの弟くんが何か叫んでるけど、このさい無視。
だってこんな積極的な愁兎めったに見れないんだよ?
「んん!?」
なんて呑気に言ってる場合じゃなくなりました。
「んっ」
触れるだけだった唇は、次第に激しくなり、愁兎の舌が僕の唇を割って入ってきた。
ドサリとソファーに倒れこむ。
絡まる舌。
愁兎はチョコを探しているだけってのは分かってるけど……
チュパ
「んはっ……チョコ…」
「………」
ホント…ビックリだよ……
「ぁ…」
愁兎が小さな声をもらし、僕の上から降りた。
詳しく言えば、退けたのではなく、龍ちゃんに抱き上げられていた。のである。
あぁあ、残念。
もうちょっと遊びたかったのにな
、
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