泡となって消える運命の少女

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少女は『がばぁっ!』と起き上がると、隼人の胸にも届かない体で必死にしがみついてくる。 「おいおい?」 見ず知らずの女の子に抱きつかれるような覚えはないはずだが? 理由はわからないが、少女は隼人の手を取ると、しきりに一点を指差す。 ほんの少し前まで見入っていた大型ビジョンを。 「ん?」 何となく、画面に目をやる。 すると、そこには新色をアピールした化粧品のCMが流れていた。確かに、少女にとって興味のある内容だろう。が、 「そーゆーのはお母さんに言いなさい」 親はどーゆー教育をしているのだ、と気分が悪くなるのを抑えながら歩き出す。 表情はムスッとしているので、抑えたと思っているのは本人だけであるが。
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