第一夜 懐刀

13/17
前へ
/174ページ
次へ
ガキンと刀と刀がぶつかり合う音がした。みすずは敵将と鍔攻り合いをする。力は互角だ。 敵将は少し怯え、声を荒げた。 「あなたは女子ではないのですか!?何故、このような戦場に……」 みすずはふっと薄く笑う。 「そんなの簡単。……守るべきものがあるから。それを守るため……私は戦うの!!!」 そう叫ぶとみすずは、鍔攻り合いをしていた左手をくるりと相手の身体の横へと回した。反動で敵将がよろめく。一瞬、敵将の目からみすずが消えた。その瞬間をみすずは逃さなかった。 「うわあぁぁぁぁぁぁぁ!!」 悲鳴と血飛沫をあげ、敵将は地面へと崩れ落ちた。みすずはそれを冷めた目で見つめる。 だがしかし、すぐにみすずは蘭丸の方を振り向く。 そこには、見るからに猛将であろう者と組み合う蘭丸の姿があった。 .
/174ページ

最初のコメントを投稿しよう!

186人が本棚に入れています
本棚に追加