第一夜 懐刀

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勝家は黙ってその質問を待つ。蘭丸は下を向いたままだ。 「信長公は…天下を取れる、器にございますか?」 勝家は少し目を丸くしたが、すぐにその答えを口から発した。 「当たり前だ」 蘭丸の顔があがる。 「天下を取れる器だからこそ、俺は信長様に仕えるのだ」 「―――」 当たり前の、期待通りの答えに蘭丸は微笑んだ。 「これは愚問でしたね」 そういうと、刀を構える。 「では、退いてもらいます」 .
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