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辺りは夜という闇に包まれていた。
照らすのは月の明かりのみ。
その闇の中に、武装した兵士がたくさん待機していた。
もう少しで、戦が始まる。
その暗闇の中、ひとつひっそりと佇む小屋があった。その中に青年が二人いた。
ひとりは壁に寄り掛かり窓から月を見ていた。その青年は、この暗闇に負けることのない黒髪を持ち、その黒髪は腰のあたりまで伸び、無造作に下ろされていた。
その顔は秀麗以外のなにものでもない。
一方の青年のほうは窓から少し離れたところに鎮座していた。青年の姿は女の見間違うほどの美しさを持っていて、綺麗に切り揃えられた長い黒髪を後ろで束ね、紫色の衣に身を包んでいた。
月を見ていた青年が口を開く。
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