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みすずの言葉に頼重は少し黙り込んだ。
「……光秀様は織田に降るつもりかもしれない」
みすずは少し目を見開く。
「本当?」
「いや…、まだ明白じゃない」
頼重はみすずの言葉を遮るように言った。
みすずは何かを考えているのか下を向く。
「蘭丸様も……行くのかな?」
ぴきっという音をたてて、頼重の額に筋が浮かぶ。
眉間にシワをよせながら、頼重は両手を上げて、わからないというポーズをとった。
「さ、さぁな」
どうしてこの人はそんなにも……――――
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