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「恋ですよ」
「恋……?」
光秀は頷く。
「頼重は近衛に恋しているのですよ。だからあなたにとられないようにと必死なんです。……彼は「光秀様はっ」
蘭丸は思わず光秀の言葉を遮った。光秀のその言い方はまるで…。
「…それは私にとっても同じことだと……言いたいのですか?」
「…………」
気づいてはいないのか。と光秀は心の中で思う。
「違いますか?」
「あなたの近衛に対する眼差しは、エゴにしては不自然すぎる。哀れみよりも、愛情のほうが多い」
私は――
蘭丸は首を左右に振った。
私には――
「わかりません……」
でも、確かにみすず。あなたを誰にも渡したくない……。
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