「ノイズ・チャンネル」

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かなり異常な状況なのは解る。 だが、こんな状況であの白い手について行く以外に選択肢なんてあるのか? この列車の窓から飛び降りるなんてのは、アレが自分を襲いにくる怪物で、立ち向かう手段が無い時の最後の手段だろう。 まずは、あの「白い手」の正体を見極めなきゃならない。 覚悟を決めて、周りのアンティーク家具を見回す。 …………あれ、使えるかな? 煌々と光るロウソク台を手に取り、中のロウソクを外す。 ロウソクの固定されている部分は金属で出来ていて尖っている。 「………何も無いよりはマシかな……?」 …………。 覚悟を決める。 ゆっくりと警戒しながら「白い手」の方へ歩いて行く。 窓の外から漏れる淡く蒼い光、薄暗い中、列車の走る音だけが聞こえる。 そして自分を招く白い手。 「虎穴に入らずんば虎児を得ず。」 一言、自分を勇気付けるように言い放ち、歩く。 ここがあの世だろうと何だろうと、とりあえず、あの手の主は何かを知っているはずだ。 勇気を出せよ。俺。
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