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俺は、図星を突かれてしばらく、黙ってしまっていた。
すると、銀髪の女の子はニコリと笑みを浮かべて俺の左手を握った。
硝子細工の薔薇のような女の子の顔立ちが、年相応な子供の笑顔を見せる。
「……大丈夫よ。おじ様は優しい方だから、貴方の事もしっかり考えて下さるわ。」
………。
……は?……オジサマ?
なんの事だか全く分からないまま、銀髪の女の子は俺を引いて車両を歩いて行く。
「あ、そうだ。貴方、鍵は持ってるのよね?……もう使ってみた?」
足は止めずに振り返りながら、なんだかオモチャを与えられた子供のような目をして聞いてきた。
……鍵……!?
鍵って、朝の怪しい小包の“鍵”の事か?
「なんで鍵の事知ってるんだよ?つーか、あれは何の鍵なんだ!?」
ズンズンと先頭車両に向いながら疑問を投げかける。
女の子は足を止めない。俺の質問を聞いて、尚更面白そうなものを見つけた猫のように目が輝く。
「やっぱりまだ“見てない”のね!………凄く楽しみだわ……。」
「…見るって、何を!?」
もはや競歩ぐらいのスピードで小走りしながら女の子は言った。
「“ペルソナ”よ!!」
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