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何でそんなに急いでいるのか分からないが、銀髪の女の子の速度はもう……なんか走り出してる。
本人は凄く楽しそうな感じなのだが……“ペルソナ”とやらを見るのがそんなに楽しみなのか?
そもそも、“ペルソナ”って鍵と関係があるような口ぶりだったが、俺の持ってる鍵でそれが見れるのか?
………今抱えてる疑問も、“おじ様”って人に会えば解るんだろうか………。
あれこれ考えながら車両の通路を走っていると、突然女の子が立ち止まった。
正面には蒼いカーテンがドアの替わりに掛かっていて、中の様子は解らない。だけど、カーテンの向こう側から、あの、心に響くピアノの旋律が聞こえてきた。
「…はぁ…はぁ、……ここだよ。」
女の子は呼吸を整えるとスっとカーテンの向こうへ入って行った。
「早く、こっちだよ。」
催促されたので中に入ってみる事にした。
………ふと気がついたら右手に持っていたロウソク台をどこかに落としていたようだ。まぁ、いい。
なんとかなるだろ。
俺はカーテンの合間を縫って、奥の先頭車両に入って行った…。
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