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「では、まず始めに…貴方のお名前を聞かせて頂けますかな?…」
イゴールという老紳士は両手を組みながら質問した。
「あ、はい。神原陽介です。」
当たり前なやり取りなのだが、ふと疑問に思った…。
このイゴールは、名前も知らない相手を呼び出した…という事なのか?
だけど、鍵の宛先には“自分の名前”が明記されていた…。
……どういう事だ?……
「ふむ…。では早速、貴方がここに呼ばれた理由についてお話し致しましょう…。
…貴方は、まだご自分では気付いておられないようですが…
普通の人とは違った、特別な力が目覚めようとしております。」
は?…いきなり何をいってるんデスカ?
っと。……いかん。とりあえず話しを聞いてみよう……。
俺の思ったことを察したのか、イゴールはニヤリと笑い…。
「しかし…、今の貴方にはとても信じられない話しでしょうな…。」
と言った。
こちらのやり取りを見て銀髪の女の子がクスクス笑っている。
「…そりゃぁ、信じられませんよ。俺は至って普通の高校生ですよ?」
「……今までは……そうだったのでしょうな。
百文は一見にしかず。」
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