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そう言うとイゴールは女の子の方を見る。
「アリア。この方に貴女のペルソナを見せてあげなさい。」
…アリアっていうのか。見た目からして日本人でないのは分かってたけど……日本語上手いよな…。
「いいの?おじ様?」
アリアがなんの確認を求めたのかは分からないが、イゴールは静かに頷いた。
「この方の運命の歯車は、いずれ過酷ないばらの道を歩む事になるでしょう…。ならば、少々早いですが、無理矢理にでも目覚めて頂かなくてはなりません…。」
「強制的にでも…って事?」
イゴールはまた静かに頷いた。
…アリアとイゴールの会話は何やら物騒なニオイがする。
「………分かった。…ヨースケお兄ちゃん。」
「ん…?」
突然話しかけられて戸惑う。結局どうなったんだ?
「これから私のペルソナを見せるけど……あんまりびっくりしないでね?」
そういうとアリアは目を閉じてゆっくりと右手を前に差し出した。
その瞬間、アリアの身体が不思議な紅い光に包まれた。
身体から放出される輝く紅い風。空気が流れるような音。
そして、“それ”は姿を現せた。
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