「ノイズ・チャンネル」

21/24
前へ
/76ページ
次へ
そう言うとイゴールは女の子の方を見る。 「アリア。この方に貴女のペルソナを見せてあげなさい。」 …アリアっていうのか。見た目からして日本人でないのは分かってたけど……日本語上手いよな…。 「いいの?おじ様?」 アリアがなんの確認を求めたのかは分からないが、イゴールは静かに頷いた。 「この方の運命の歯車は、いずれ過酷ないばらの道を歩む事になるでしょう…。ならば、少々早いですが、無理矢理にでも目覚めて頂かなくてはなりません…。」 「強制的にでも…って事?」 イゴールはまた静かに頷いた。 …アリアとイゴールの会話は何やら物騒なニオイがする。 「………分かった。…ヨースケお兄ちゃん。」 「ん…?」 突然話しかけられて戸惑う。結局どうなったんだ? 「これから私のペルソナを見せるけど……あんまりびっくりしないでね?」 そういうとアリアは目を閉じてゆっくりと右手を前に差し出した。 その瞬間、アリアの身体が不思議な紅い光に包まれた。 身体から放出される輝く紅い風。空気が流れるような音。 そして、“それ”は姿を現せた。
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加