22人が本棚に入れています
本棚に追加
………ドンッ!!
突然、今まで“鼓動”だった感覚が、身体の内側から突き破られるかのような衝撃に変わる。
………ドンッッ!!!
「………っ!!」
もはや声も出せずに悶絶する俺にアリアは静かに語りかける。
「…今、貴方の中では幾つかの心のカタチが、この現世へ現れるために、争いあっているの。」
……ドンッ!!……ドンッ!!
「…そしてその争いに勝った心のカタチは、いずれこの現世へと通じる“門”を探して身体の内側から通路を開けようとするわ。」
身体の内側からの衝撃で視界が揺れる。身体はガタガタと震えながら必死に耐えつづける。
そんな状態でもアリアの静かで柔らかい声だけはハッキリと聞こえて理解できる。頭の中に直接話しかけられてるような感覚。
……………
………どれだけ続いたのか分からない。
途中で意識を失ったのか、気が着いたらアリアの右手を強く握りしめていた。
「…………うっ……。」
意識がはっきり戻ってきた。
相変わらず薄暗い、蒼の部屋。
身体の内側からの衝撃や苦痛は既に無くなっていた。
「…無事に終わったみたいね。」
手を繋いだアリアが静かに微笑んでいた。
最初のコメントを投稿しよう!