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「…目覚められましたな…。神原様。お気分はいかがですかな?」
イゴールは静かに話しかけてきた。
気分はもう悪くない…。さっきまでの苦しみが無くなって、代わりに胸の真ん中あたりが暖かい感じがする。
「…先程貴方は、アリアのペルソナ、“ブリュンヒルデ”の波動を受けて、ペルソナの共鳴励起を引き起こしたのです。」
「共鳴…励起?」
「ペルソナとは、貴方の心の中に存在する心の力が、神や悪魔の姿を借りてカタチを持ったもの。
……時に、その力は持ち主自身に災いをもたらす事もありますが、…貴方は無事に、自らのカタチを手にいれられた様ですな…。」
イゴールは一息ついたような仕草をして、暗くて良く見えなかったが小さく笑ったような気がした。
「……つまり、どういう事?さっきの“アレ”…ブリなんとかっていうのが“ペルソナ”って奴の事なのか?」
床に座ったまま、先程起こった状況を整理しようとしていると、立ち上がったアリアが再び右手を差し出してくれた。
「あ……ゴメン。……アリアちゃんだっけ?」
「アリアで良いよ。それと…、わたしのペルソナはブリュンヒルデだよ?ヨースケお兄ちゃん。」
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