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「クラブ・キネンシス」
深夜2時。
騒がしく流れる音楽。
人気DJの選曲に心も身体も委ね踊り狂うダンサー達。
都内近郊にあるクラブハウス
「キネンシス」
カクテルを持ったチャラ男が近づいてくる…。またか…、と心の中で毒づきながらそっぽを向く。ここをナンパ場所と勘違いしてるくだらない連中になんか用はない。
話しかけられる前に移動する。
落ち着ける場所を探して、バー・スペースに来た。
「……ハイネケン。」
無愛想に注文する。バーテンは苦笑しながら緑色の缶ビールを出した。
「その様子だと、今日は不作みたいだなぁ…。まぁ、そんな簡単に見つかるわけないだろ。」
「そんなこと分かってる。」
また無愛想に返事を返す。
昨日はそこそこの素材が手に入ったのに。
「あんたこそ、ちゃんと仕事してるんでしょうね?」
「ああ。お前と違って俺は友達が多いんだ。」
バーテンの生意気な口にイラ立ってハイネケンを一気飲みする。
タン!っとテーブルに叩きつける。
「……もう少し見てくる。」
そういうとバー・カウンターを離れて女はダンス・フロアへ向かっていった。
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