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今日は朝っぱらから妙な事が起きるな…
……実に怪しい。必要な時にこれを使え?俺にしか使えない?
何の鍵なのかも解らないのに?
やっぱり親父の悪戯か?詐欺だとしても意味が解らない。
……………考えても仕方ないか。
「とりあえず、貰えるもんなら貰っとくか?」
こういう時はシンプルに考えよう。レッツ・ポジティブ・シンキング。
俺はその鍵をポケットに入れて、窓の外を眺めた。
「………良い天気だな………。」
今は4月。つい先日入学式があったばかり。まだまだ気を抜くと寒い季節なのだが、今日はやけに暖かい。
「………桜でも見に行くか。」
そういえば近所の河原に桜並木があるのを思い出した。ここに引っ越して来た時にちょっとだけ見たけど、その時はまだ3分咲きといった所だった。
今ぐらいからなら結構咲いてる桜も多いかも知れない。
よし。行こう。
………ミシ………ミシ……
部屋着から着替えてる最中に廊下の方から足音が聞こえてきた。
……今ウチの家には静姉しか居ないはずなんだが、静姉はこんな静かに歩かない。
………。
ミシ……ミシ………
何か企んでいるのか?
怪し過ぎる。
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