6人が本棚に入れています
本棚に追加
違う自分になる
とてもさわやかな気持ちのまま、コンビニに入った。
「いらっしゃいませ~」
店員の渇いた声が響いた。なぜか私の心にも響いてきた。
この人はどんな事情があって、ここで働いているのだろう…
全く余計なことを考えながら、求人情報誌を手にして、レジにお金を払い、コンビニを出た。
少し冷静になって、考えた。
こうして仕事を探すにもお金がいるんだ…
これは早く決めてしまわなければ!
急いで家に戻り、買ってきた情報誌を見る。差し迫った返済があるため、時給も重要だ。何気なく開いたページにあった「日払い可」の文字が目に飛び込んできた。時給もいい。ゆっくり職種に目が行った。夜の仕事。キャバクラ嬢だった。人見知りが激しい自分に出来るか不安がよぎる。
そんなことは言っていられない。借金がなくなるまでの間…違う自分を演じていく覚悟で、面接希望の電話をした。
最初のコメントを投稿しよう!