プロローグ

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 非日常、なんてものはあっさりやってくるものらしい。  ふざけんな、と言ってクーリング・オフを有効活用したり、もしくは熨斗をつけてでも返品したりしたいくらいだ。  そんな俺の非日常は、ある人間である。現在後ろで全世界を南極にするつもりか、と言いたいくらいの冷徹な視線を送りやがっている。  イライラも最高潮、といったところだろう。 「何やってんの? さっさとやりなさいよ、グズ」  剣呑さ丸出しの口調である。こいつは一体何様のつもりなんだろうね?  俺は文句の一つでもいってやろうと思い、そいつに目をやった。  不覚にも見とれてしまったのは、何故だろう。こんな自分が心底ムカつく。  だが、そいつは簡単に言えば超がつくくらいの美少女なのだ。  身長は160センチほどで顔は小さめ。くりくりした二重まぶたの大きな眼、程良い高さの鼻、薄いが思わずキスをしたくなる魅惑の唇。腕とか足も細すぎず太すぎず完璧なバランスを誇っている。  スタイルだって抜群だろう。推定EよりのDカップだな。  要するに、ハイスペックなとんでもない美少女なのだ。  あとは家が金持ちだったり、頭が良かったり、色々だ。週に七回くらいは告られるらしい。女友達も多い。  社会的には超絶美少女だろうさ。非の打ち所がない。俺だって以前はめちゃくちゃ美少女だなぁ、くらいにしか思ってなかったし。  関わろうとも思わなかったぜ。いわゆる高嶺の花とか、そんな感じだ。  そんな完璧な超絶美少女がなぜ俺なんかとこんなところにいるのか? それは簡単である。
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