第2章

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「…すみません」 開店前の店内はシーンと静まり返っている もう一度さっきよりも大きい声で呼んでみる 「すみませーん」 すると細身の黒ブチ眼鏡をかけた30代位の男がゆっくりやってきた 「今日からお世話になります、小森ゆかと申します」 「あぁ、オーナーから聞いてるよ、小森さんね じゃあ、とりあえず事務所まで来て」 と無愛想に言われ 言われるまま事務所に向かった 黒ブチ眼鏡の男はソファーに腰掛け、私に向かいのソファーに座る様に促した 「え~、俺は店長の川崎です。宜しく」 「…はい、宜しくお願いします」 「じゃあ今週休み希望とかある?なければ、こっちで勝手に組むけど」 「特にないので、お任せします」 「……了解」 黒ブチ眼鏡の口調はとても嫌味っぽく、偉そうだった その後も偉そうな口調で店の仕組みや仕事内容について説明された ――何?こいつ? ――感じ悪ッ そう思いながらもニコニコと営業スマイルで乗り越える 「じゃあ、あっちに更衣室あるから制服に着替えて、着替え終わったらホールにきて。」 と更衣室を指差す ――やっぱこいつムカつく!
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