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新一は晩御飯を済ませ、シャワーを浴びると私服に着替えた。
全身鏡の前に立ち、身だしなみのチェックをする。
部屋には単車のパーツやそれ系の雑誌がその辺に散らばっている。
カラカラと扉があき、母親が入って来た。
「これ、書いておいたからよろしく」
紙切れと一緒に千円札を渡そうとしたが、新一は紙切れだけを受け取った。
「いいよ、俺買ってあげるから」
「あぁほんと?じゃあ甘えるわ」
新一は部屋を出た。
外はすっかり暗闇になり、携帯の灯りを頼りに部屋から単車のある場所まで進んだ。
ヘルメットをかぶり、単車のスタンドをあげると家からしばらく単車を押して行った。
細道を出て、開けた道に出たところでようやくエンジンを始動した。
「何回聞いても飽きないねぇ~この音は」
CBXのエンジンがかかった瞬間の音が新一はたまらなく好きだった。
そして軽快な音を海沿いの街に響かせながら新一はみんなの待つサンクスへと向かった。
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