嗚呼悲劇カナ

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      くわばら、くわばら…       まっこと女の執念とは恐ろしいものですなぁ~         コレは当時、吉原で真しやかに囁かれた都市伝説のようなものでございます。         皆さんも綺麗なおなごを見付けても、みだりにがっついたらあきまへんよ?         今の時代じゃ“萌え”と言うらしいんですけどねぇ…そのまま胸を“ブスッ!”っと一付き!…なんて事もあるかもしれませんねぇ…       似たような話しに“濡れ女”なんて言うのもありますねぇ。     河原でボーっと突っ立ってる女がニコリと笑うんですよ。       絶世の美女なんですがねぇ、そこで笑い返したらあきません!      何処までも付いてきてその湿気で家を腐らせ病を呼び、とり殺す陰湿な妖怪ですわ。      女ってやつぁいつの時代も恐ろしい…って…あんれまぁ… それよりもわっちが誰かって?         そもそも何故そんな何年も前の話を、そこまで詳しくしっちょるかって?         そりゃ…あんたはん…“にゃぁ~おん”…こりゃっ失礼!         クスクスクス…わっちが黒やって?       どやろなぁ?         そもそも猫は恩義なんて感じんませんのや…        自由気儘それが猫で御座います。           耳が右むちゃ尾は左…さぁてとご主人様の膝元へ帰るとしますかぃ…         あ…そうそうコレはわっちの独り言と思って頂いて構いません。       いつの時代の…どんな場所、形でも… 好いた男と女…二人共に居られれば… それに勝幸せはないんじゃありませんかねぃ…         おやおや…お喋りが過ぎましたね…   それではコレにて失礼いたしました。           ―にゃぁ~おん―           .
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