2時間目…内先生

2/8
前へ
/19ページ
次へ
「ここの形容詞が…」 ちょっと高めの綺麗な声が教室に響く。 チョークを持つ長い指が黒板に文字を書く度に『綺麗な指やな…』と思ってしまう。 お世辞にも字は綺麗とは言えないけど(笑) 「先生~。そこ形容詞やなくて動詞や」 クラス1人の声で笑いが起きる。 「あれ?ホンマや。どこみてたんやろ」 今、英語を教えてるのは実習生の内博貴先生。 うちの学校のイケメン先生たちの友達らしく実習生ではあるけど、もう来年から本採用されることに決まっているらしい。 やから実習生なのにも関わらずもう1人で教壇に立ってる。 そんな先生はみんなから『うっち~』と呼ばれて人気。 天然なのか、元からアホなのか知らんけど、ああやって良く間違える。 そのたびに指摘され、笑いが起き、先生はあたふたする。 そんな先生を私、一ノ瀬杏は何気に好きやったりする。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

66人が本棚に入れています
本棚に追加