そりゃビビるさ誰だって

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 そうしている内に、晩ご飯が配られ、自分がガン患者であるとを知らされてから最初の夜がやってきた。 とは言っても、まだ午後6時。 普段なら余裕で仕事中です。 でも、何もしてなかった割には食事はキレイに完食。普通に白いご飯。肉料理に温野菜にコンソメスープ。なかなかの料理だった。次からはメニューが二通りから選べる用紙が入ってて内容的には、 朝はパンかご飯か? 昼もパンかご飯か? 夜は肉類か魚類が? みたいな感じだった。でも、病状が違うのだろう、患者によって全然出されている食事が全然違うのに気づいて、ちょっと切ない気持ちになった。さらに、翌朝は検査の為食事抜きになっていた。 食事が済んだらシャワー。いつもは自分で予約するらしいんだけど、初めてだったので看護士さんが入れおいてくれたみたいだった。 テレビはカード式だったのだけど、何か頭が不安だったので購入せず。 携帯メールで会社の人達に状況を報告などをして過ごした。 しかし、9時消灯。 携帯のカチカチ音も気になる人もいるからそれも止めて、眠ることにした。 でも‥眠れない。 ネガティブキングが囁きだす‥ 頭に腫瘍。 肺に腫瘍。 下手こいたら死ぬ。 死にたくないな。死にたくないな。 でも頭開く手術だ。 後遺症でてたりして。 何とか不随とか。 何とか障害とか。 会社はクビかな。 あんなに頑張ってたのに。 悲しいな。 再就職できるかな。 ‥何でも悪い方に考え出す。 マジに眠れない。 0時を過ぎた頃、看護士さんが見回りに来た。 『眠れないの?』 「こういうの初めてだから」 『お薬出す?』 「いいえ、なんとか頑張ってみますから‥」 『じゃ、おやすみなさい』 看護士が去る。 ベッドに取り付けられた灯りを頼りに読書を始める。 売店にあった「24」 活字だと臨場感がいまいちだったけど、シーズン1を朝までかかって3冊読破。 シーズン1はDVDでも観たことなかったので、先の話とバシッとつながったトコもあってなかなかよかった。 ゛途中、2時・4時と看護士が見回りに来てくれる事を知り、更に不安を和らげるには読書が効く事に気付いた。 外が明るくなってきた。 ここは5階で眺めもいい。 車の流れを見ていたら、少し眠気を覚えたのでベッドに入り、横になるとスーッと眠りがやって来た。
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