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夕方、母親が再びやって来て着替えと携帯を置いて行った。
食事制限は無いって話だったからかな?センベイとビタミンのど飴が差し入れされていた。
あとは水、クリスタルガイザーのリッターペットが大量。
ちょっと感謝。
母親が帰ってから携帯に充電器のコネクターを差し込みながら電源を入れてみる。倒れた次の日に電源が切れたらしい。
それまでの履歴が
通話の着信27件
メール着信17通
更にメールの問い合わせをかけてみる。なかなか終了しない。
結局、新たに着信24件。
内容は会社・仕事関係が6割。後は例の彼女と友達関係。
会社関係は親が連絡したらしいので、前半は捜索願みたいな内容だったけど、途中から『安心して治してくれ、見舞いはいつから大丈夫?』的な内容に変わっていた。
一方、彼女は凄い。
マジにいい感してる。
僕が倒れたその日に、
『アナタが連絡無しにすっぽかすなんてありえない。事故?病気?大丈夫?』と第一段。
それから仕事以外の時間帯になる割とと頻繁に、
『大丈夫?きっと病院だから携帯使えないのね?』
『早く連絡頂戴ね』
『凄く心配だけど、あまり心配してないから‥』
などなど、まさにこちらの状況を把握したかのようなメールを送ってきていた。
嬉しかったけど、
ちょっとだけ怖かった。
てか、なんてメールしよう?
いきなりガン、しかもダブルリーチとは流石に言えない‥このまま別れた方が彼女に迷惑かけないで済むのかな?
色々悩んだ。
このままメールも電話もしないで自然消滅を狙う?いや、会社も家も知ってるし。
ガン患者と付き合っても詰まんないだろうし、結婚なんて有り得ない話だからなぁ。
でも、こんなにたくさんメールくれてるし。
‥悩んだ結果。
うん。とりあえず病名は隠して連絡しよう!過労が響いて何か内蔵の機能が低下して‥なんて感じに!
と、言う事でメール送信。
「過労で倒れて救急車だって。
いまはまだ病院で、やっと一般病棟に移ったとこ。連絡出来なくてごめんね。」
返事はすぐ。
『だと思った。今すぐお見舞い行きたいけど、年末で忙しいから、仕事納めまで待ってね。
でも、その頃にはとっくに退院してるんだろうね?』
「だね!」なんて短いメールを送って、会話を切った。
でも、単に先のばししただけなんでより不安になった。
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