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夜になった‥。
昼間寝てたんでなかな眠れず。
暇だ。しかし、手元には何もない。どうしよう。
仕方ないから、つまらないけど1人山手線ゲーム。
スタートは新宿から内回り。
出だしは好調。しかし、田端の次がわからない。
えーっと、日暮里だったっけ?
普段は高田馬場から恵比寿の往復で、新幹線でたまに品川って程度なんで、やっぱり頓挫してしまった。
そんなとき、見回りに来た看護師さんが登場。
『お変わりありませんか?』
「ちょっとお尋ねしたいコトがあるんですが‥」
『どうしました?』
「山手線の内回りで田端の次って何て駅でしたっけ?」
『はぁ?』
「眠れなくて暇なものだから、寂しく1人山手線ゲームを始めてみたんですけど、田端で挫折しちゃって‥」
『そうなんですか‥でも私、私鉄しか乗ってないからわからないな。他の子に聞いてくる?』なにげに親切だ。
「本当?助かるかも!」なんてやりとりをしながら検温と『ココはドコ?ワタシはダレ?』
それが済んだら『待ってね!』と一言残してパタパタと足早にICUを出て行った。
しばらくすると、彼女がハァハァと息を切らせて戻ってきた。『あのね、西日暮里だって!』まるで子供みたいな表情で嬉しそうに報告してくれた。
しかし、戻って来た時には自分で思い出していてすでに車両は浜松町を出発する所だった。
『折角だから最後までしちゃいません山手線一周?』彼女から嬉しい提案。
「まぁ、いいですけど‥」浜松町通過のコトは内緒で田端からリスタート。
2人でヒントとか出し合いながらもなんとか新宿まで到着して無事終了。
そして、和みムードの中さり気なく『キツかったら安定剤お出しますからね』と優しく言葉を投げかけてくれた。
で、微笑みながら退室。
なんとなくフワッと気持ちが明るくなるのを感じた。
次は東京23区続いて47都道府県に挑戦。北海道から始めて九州の福岡、長崎、佐賀くらいて記憶が途切れた。
夢は特に見なかった。
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