多分、わたしは‥

6/7
前へ
/91ページ
次へ
 朝だ。検温・血圧・酸素量。 『ココはドコ、ワタシはダレ』 ソレがすんだら朝ご飯。 お粥と根野菜。 しばらくしたら、見覚えのある看護師さんがお迎えに来てベッドのまま、再び脳外科の一般病棟へお引っ越し。 『お帰りなさい!』超笑顔。あのお子様プレイ看護師さんだ。 「いやぁ、僕はただ寝てただけですから‥」 『手術長かったみたいだから心配してたんだよ?』と泣かせるお言葉。 「こんな風に患者のこと1人1人顔や名前まで覚えてるもんなんですか?」 『印象深い患者さんはちゃんと覚えてるんだよ?』 「へー‥」どういう印象だったのかは怖いから聞かないことにした。 脳外に帰ると4人部屋だった。 すぐに勝俣似がきて『これから摘出した腫瘍を病理診断して、肺にある腫瘍との関係、今後の治療法など検討していきます』相変わらずお堅い先生だ。  病室では奥の窓際、まずまずのポジションだった。 実はここの病棟は泌尿器科と脳神経脳外・内科の混合病棟。同室で脳外の患者は僕一人。頭に包帯グルグル巻きなんて奴は僕だけだった。他の患者は血糖値とか悪そうな人ばかりだった。  この前、病棟に来たときは慌ただしかったけど、今回は割と普通に移動してきたので寝たきりのままだったけど、ちゃんと挨拶できた。しかし、リアクションはことのほか薄かった。 ベッドを定位置につけると、何故かアソコの管の抜き取り式が待っていた! またもや不意打ち。突然の出来事に心の準備が全然出来ていない! 浴衣にフンドシ引き破がされて『さぁ抜きますよ』さっきまで優しい笑顔だった看護師さんがまたまたSっ気タップリな不敵な笑み‥ で、またアソコが微妙に反応。いや、まあまあ反応してしまった。 そしたら激痛! 「んがっ‥」必死に堪える。 大した時間ではなかったはずなのにヤケに長く感じてしまったのだった‥
/91ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1953人が本棚に入れています
本棚に追加