―真の強打者―

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その頃――… 修司)「ふぅ…」 秋山は再び室内練習場へ帰って来た。 司)「お帰り、修司」 修司)「う、うぉ…司。 いたのかよ」 部屋に入ると、星ヶ丘のエースの上林 司(カンバヤシ ツカサ)がいた。 司)「見てたよ修司。 神田君と練習してたよね?」 修司)「あ、あぁ…たまたま会ってな」 秋山は苦笑しながらそう言って上着を脱いだ。 司)「…で、どうだった?何か収穫はあった?」 上林が尋ねると、秋山は真面目な顔になった。 修司)「司…俺ぁ勘違いしてたわ」 秋山はそう言って上林の方に視線を向ける。 修司)「神田の奴…恐らく高村で一番厄介だぜ」 司)「へぇ…」 秋山の言葉に、上林も興味あり気に頷いた。 修司)「バッティングは間違いなく俺より上だ。 滝沢と並ぶか…嫌、勝負勘だけならあいつより以上か…」 司)「そこまでになっていたのか…神田君は…」 修司)「しかも、一番凄かったのは肩力だ。 あれは間違いなく神奈川 No.1だぜ」 司)「肩力?」 秋山はさっきのキャッチボールの話しをした。 司)「それが本当なら…ライトは要注意だね」 修司)「司、今年の夏は大波乱だぜ」 司)「あぁ…」 秋山と上林は頷き合い、決意を新たにした。
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