―桜の季節―

3/12
2508人が本棚に入れています
本棚に追加
/456ページ
翔子)「な、なんだろう…?」 森さんは少し怯えた表情で俺らに尋ねる。 真人)「多分…」 遼)「あの声は…」 俺らは恐る恐る、高村高校の校門前に向かった。 悠聖)「な、なな…奈緒!落ち着け!」 そこには、高村高校野球部キャプテンで遼と同じくらい仲の良い神田 悠聖(カンダ ユウセイ)と… 奈緒)「ほほぅ…? あんなことがあってもまだ私に落ち着けと言うのか…?」 その悠聖の彼女で、陸上部キャプテンの千葉 奈緒(チバ ナオ)さんがいた。 因みに、今の状況は千葉さんが指の骨を鳴らしながら悠聖に迫っている。 遼)「…朝っぱらから元気なカップルだな…」 遼は呆れた表情でそんな二人を見ていた。 華穂)「ウチじゃ有名なカップルだからね~…」 真人)「色んな意味でね」 翔子)「アハハ…」 悠聖)「あ、真人~! 遼~!おはよ~!」 すると、悠聖は俺らに気付いて駆け寄って来る。 奈緒)「逃げるな」 悠聖)「ごほっ!?」 しかし、千葉さんに首を掴まれてしまった。 翔子)「何かあったの?」 森さんは横でぐったりしている悠聖を見ながら千葉さんに尋ねた。 奈緒)「どうもこうもないんだ、実は――…」 千葉さんは悠聖を見ながら溜め息をついて先程のことを説明した。
/456ページ

最初のコメントを投稿しよう!