―桜の季節―

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奈緒)「実は今朝、私は生徒会だから早めに行かなくてはならなくてな。 悠聖にお願いして一緒に来てもらったんだ」 遼)「…生徒会だったのか…千葉…」 奈緒)「あぁ、会長だ」 遼と俺は表情に出さなくも内心かなり驚いていた。 と、言うか全く知らなかった。 奈緒)「まぁ、それは置いといて…」 華穂)「神田君と一緒に行ったんでしょ?」 奈緒)「あぁ、そしたら校門前に他校の女子生徒が集まっていて…」 ……ここまでの内容で俺らは何故千葉さんがご乱心なのか分かった。 奈緒)「あろうことか私の目の前で悠聖にサインを求めたり、握手したり…極め付けは抱き着いたりしたんだ」 真人)「あぁ……」 それはもう、想像出来るなぁ… 遼)「それでその鬱憤をこいつで晴らす訳か…」 遼は憐れんだ目で悠聖を見ていた。 高村の野球部が人気出て来たのは、俺らが二年の夏頃だ。 今まで一回戦止まりだった俺らが、夏は三回戦。 そして、秋は関東大会で優勝し、甲子園まで行ったもんだから一躍有名になった。 特に、高村は監督が髪型にこだわらない人なので坊主頭は殆どいない。 (因み、俺らも) そんなわけだから女子高生は話しかけやすいのかもしれない。
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