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2 ありえないだろ!?
「八木沢椎音(ヤギサワシイネ)!」
突然担任から呼ばれた。
「進路調査表…まだ出してないだろ」
「あ……はい、すみません。…明日持ってきます」
「おまえな…。今、目標校とかあるのか? どこ狙ってるんだ」
職員室の前をたまたま通りかかっただけなのに…この展開は運が悪いぜ。
目標校なんてない。入れるとこならどこでもいいんだ。
「おまえさ~、N校なんてどうだ?」
「は……?」
N校。この辺じゃかなりレベル高い。
「無理ですよ、オレなんかには…」
苦笑いして顔を上げると、廊下の向こうの玲奈と春奈がニヤニヤしながらこちらをみているのに気がついた。
なんなんだ。
昼休みに紗智が愛を連れてオレの机の脇に立った。
「聞いたよぉ、ヤギ。N校行けって言われたんだって?」
紗智がニヤニヤしながらオレの顔を覗きこんだ。
「玲奈と春奈の双子から聞いたんだな?」
その二人は別のクラスだ。B組とC組。このA組は、オレと紗智と愛が一緒だ。
バンッと紗智が一枚の紙をオレの机の上に出した。
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