3 なぜだ!?

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3 なぜだ!?

昨日は悪い夢でも見てるようだった。 よりにもよって、オレに何となくまとわりついてくる紗智達が、オレと志望校も一緒とは…。 紗智は何となく苦手だ。あの遠慮のない馴れ馴れしさ、こちらを見る視線。……。そうだ、あの大きな目がいつも真っ直ぐこちらを見てて、オレはよくはぐらかす。玲奈と春奈は気がつけばオレの近くをうろうろしてるし、愛は……、愛は紗智にピッタリくっついている。下を向いて。 考えをめぐらすうちに、オレはふとある事を考え出した。 昨日、担任と話しているときも双子がいた。紗智達がN校に行くと言い出したのは双子の報告を受けたあとだった。 まさか、あの二人はいつもそうやって…。 オレは放課後、図書室に向かった。普段はあまり縁のない部屋だった。 中に入ると一番奥の個人用テーブルにカバンを置いて適当に本を物色し、数冊をテーブルに並べた。 が…本は読まずに図書室の入り口だけを見続ける。 すると、ほどなく玲奈と春奈が入ってきた。 ――やっぱりな。 あいつらはオレ以上に図書室に縁がない、はずだった。 オレは本を読むふりをして二人を目の端で追う。二人はオレをみつけると、少し離れた後方の席に座ったようだった。
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