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オレは席を立って二人のところへ行くと言った。
「……少し話がある。外へ出ないか?」
二人は同じ顔でギョッとし、同時に顔を見合わせた。
でもしぶしぶオレのあとについてくる。
ここは図書室だからな。騒ぐ訳にはいかない。
「教えてもらいたいな。なんで…、なんのためにオレのまわりにいつもいるんだよ。
なんかオレのこと探ってんの!?
昨日だって、オレが進路のことで先生と話してるのを聞いて、紗智に報告しただろ。それで…、理由がわかんないけど、みんなで進路をN校に決めたとかっていうんじゃないよな…!?」
あまり人が通らない廊下のつきあたりで、オレは双子を問い詰めた。へんな想像働かせ過ぎか!? と心の中で思わずにはいられなかったけど。
玲奈と春奈はまた顔を見合わせてもじもじしていたが、ついに観念したようだった。
「怒んないでよ、ヤギしー。コワいじゃんー」
「そうだよ。…うちら、命令されてただけだしー」
やべ、少し顔がマジすぎた。でもなんだよ、『ヤギしー』って…。ていうか、命令?
「命令って、誰が、…何を命令してるっていうんだよ」
「いやだよ、うちらこれ以上しゃべっていいかわかんないー」
「そうだよ、あとは紗智に聞いて…」
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