一章

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まだ寒い日々が続く3月の真っ只中… 俺の神経の全てが脊髄を飛び越えて、脳へと指令を出す。 『逃げろ』と…… 「比呂、後の事は冴と香に頼んである。高校の手続きもしてあるからな?校長とは古い知り合いだから失礼のないように。」 「………………」 「……比呂?…まぁいい…よろしく頼むぞ…」 そう行って、ゴツくてむさ苦しい鬼親父は走って行ってしまわれた。 「さぁ~て比呂?今から何する?」 そう言って、俺の腕を絡めてくる、女性は森山香… 俺の二つ上の姉だ。 ナイスバディで、出るとこは出て、後は言わずとも…… 「香姉……離れて…」 「何よ~!せっかく会えたのに~ ねぇ冴?何年ぶりだっけ?」 「12年よ。全く…それくらい覚えときなさいよ。」 腰に手をあててため息を吐くのは森山冴。 俺の二つ上で香姉の双子の姉。…スタイルも香姉と同じくらいで、眼鏡をかけていて、香姉はショートカットだが冴姉は黒のポニーテールだ。 俺達、3人とも髪の毛が黒いのは遺伝だな…… 「それより…比呂、あんたお風呂入りなさいよ。」 「あっ…うん…」 若干、緊張しながら12年ぶりの我が家に入った。 中身は、あの頃と変わっていなくて…まぁ俺の記憶も 曖昧なんだけど… とりあえず荷物を二階に持って行き、下着を手に持ち下へと降りた。
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