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私の魂は何を感じていたんだろう。
そして彼の魂も……。
彼は次の日、メールをくれた。酔っ払って言っただけなのか心配していた。
それなのに私はやはり、素っ気ない返信をした。
これが私と彼の最後のやり取りになった。
今でもそのメールは消せないでいる。
【元気だしてこ⤴⤴】
私の支えであり…後悔の重さだから。
そして、帰る約束をした数日前に彼はこの世を去った。
彼は約束通り、私に知らせにやってきた。
その日、私は酔い潰れて、眠りについたのは午前6時頃だったと思う。
それなのに、不意に目が覚めた。時間は午前8時前だった。
どうしても寝付けずに朝食を済ませ、ふと携帯を覗くと、不在着信…彼だった。
けれど音も鳴っていない。見ると呼び出し秒数は0秒!
私はすぐに掛け直した。
けれど応対に出たのは、彼ではなく、彼のお兄さんだった。
私は、この一瞬で彼の異変を察知していた。けれど、どうか生きていて下さいと願った。
しかしお兄さんの口から告げられたのは、彼の死‥そして数時間後には葬式という事だった。
私には、考える余裕も時間も残されていない。
彼がいってしまう。ただそれだけを思い、新幹線に乗った。
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