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後悔したって…
今頃気付いたってもう遅い。
それなのに、私には彼との思い出よりも後悔の方が勝っていて、ただ泣き続けるしかできなかった。
そして神に
「私の命を引き換えに、彼を戻してあげて下さい。願いを叶えて頂けるのなら、私はどんな天罰でもお受けします。」
こんな事を言っても、私が彼から許される事も、後悔から逃れる事もできないのはわかっている。
でも、それ程までに苦しかった。
彼の痛みが伝わってくる。体の痛みならまだマシだっただろう。
彼の痛みは…私と出逢った事だ。
私を愛した事だ。
私なんかを選んだ事だ……。
私の後悔は、いずれ自分への慰めになり、できなかった自分への言い訳になるでしょう。
けれど彼はそれを背負っていったんだ。
もう慰めも、言い訳もできない所へ…。
彼に会いたい!そして言わなければいけない。
「もう何も心配しないで」
私は、また殻に閉じこもった。これで許される訳ではないけれど、彼の苦しみを感じた方が、まだマシだったのだ。
そうする事で許しをこいたかったのだ。
闇に沈めば沈む程、私の体は、闇の世界をとらえていく。けれどこれは罰なんだ…彼には会えない…。
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