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両親も幼稚園の先生も、私の特別な力を知らない。それどころか、今でいう「優等生」 「才能」などと思っていたのかもしれません。
それでも産まれもってのこの体質の私は、やはり普通なのだと思っていた。
ある日、私は昼寝をしていた。ベランダのすぐ横で寝ていた私は、ふと目を覚ます。そして何気なく外を見ると、半透明の人が一列に並び宙を行進している。
それを見ても私は不思議だとは思わず、そんな風に見えた‥位にしか受け止めなかった。
しかし、ここから先に起こる、私にとって普通だった事が、
「普通ではない事」
と知る事になる。
家にいる見知らぬオジサンの事を母親に話すと、母親は血相を変えて
「そんな人はいないの」
と、まるで私を下手物を見るような目で見た。
夜、寝ている時に私を見る、黒いマント姿の物と青色の人影…大きな太い手で私の両手を掴み、引きずる物…宙に浮かぶ私…
母親はやはり私を下手物でも見るような目で見つめていた。
そして私に
「誰にも言っちゃいけない」
と言った。
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