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何時間寝ていたのか、私が目を覚ますと、もう外は暗くなっていた。
「おはよう。今何時?友達2人は私がこんなんやから、チャリこいでくれてめちゃ疲れてるねん。もう少し寝かせたって…」
先輩は、心よく承諾してくれて、お腹すいてるやろ?と食事を出してくれた。
そして、これからどうするつもりや?と聞いてきた。
私は、
「金は何とかあるし、どないかする。学校は辞めるかもしれん。…それよりご飯旨いよ。」
と答えた。
「俺んちは母親いてへんし、親父はいつ帰ってくるかわからん。小学の妹いてるから、家事は俺が全部するから、自然と作れるようになったわ。それより、家に帰った方がいい。お前らは学生なんやし…」
何も言えなかった。子供の私にもこの先輩の言葉は重く感じたのでしょう。
しばらくすると友達も目を覚まし、先輩が用意したご飯を食べた。
この先輩との出逢いは、私とYが自転車に乗って堤防沿いを帰っていた時に、声を掛けられたのだ。
ギプスをし、自転車の後ろに立つ私を見て、
「しんどいやろ?乗っていき」
と言われたのだ。
もちろん初めは断り続けた。けれど本当に不憫に思ってくれているのを感じ、自転車を積んでもらい車に乗った。
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