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「居場所知ってるやろ?とかYの親が捜索願い出すとか結構ヒドイ状況やで!」
と友人達は言っていた。
捜索願いは、正直なところ大袈裟やなと思った。なぜ家に帰らないのか、理由はわかってるはずで、単なる家出だ。
「まっ仕方ないわな」
私達は笑うしかなかった。
実際それがどんな事かさえ理解していなかったのだから…。
友人の1人が
「行く所ないんやったら、うちの親戚の家使う?うちのアパートの上やねんけど…。今は誰もおらんし、けど電気も水も使われへんし、足音も静かにせんとバレるからな!」
私達はすぐに行くと言った。寝れる場所があれば良かったのだ。
しかし良かったのは最初だけだった。
夜になっても灯りはないし、トイレも流せないから使えない。
しかも窓も開けれないのだ。
家具もそのままあったので、机があるのは助かったが、仏壇はいただけない。
結局、眠たくなるまでは近くのファミレスで過ごし、朝方に帰宅する…という生活を送る事にした。
家出から、ちょうど一週間たった日
私達は何を思ったのか、酒が飲みたくなった。
夜になって、わざわざ尼崎という所まで出掛け、駅前にあるカラオケ屋に入った。
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