―決勝⑧―

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『十三回の裏、アメリカ合衆国の攻撃は6番ライト・・君』 《カチャ、ググ…》 《――…ズキッ…!》 真人)「――…っ…!」 《ギュォォォン!!》 《ドシィィィイ!!》 審判)「ボール!」 初球、外角高めにライズボールが外れた。 遼)「…タイムお願いします」 審判)「タイム!」 すると、遼がタイムを取りマウンドにやって来た。 遼)「やはり全力投球は痛むか?」 真人)「一瞬だけど、かなり来るね」 俺は右足を軽く叩きながら答えた。 遼)「ならセットから投げて見ろ。 振りかぶらない分、左肩の負担は減るし右足も庇える」 真人)「でも、球威が…」 遼)「それを何とかするのが、俺の役目だ」 遼は小さく笑いながらそう言って守備位置に戻って行った。 真人)「……(俺の役目…か。 なら、任せたよ…)」 《カチャ、ググ…》 敵打者)『――…(セットポジション!?)』 真人)「――…っ!」 《ギュォォン!》 敵打者)『っ!(ワインドアップじゃない分、圧力がない…打てる!)』 《キィィィィン!!》 真人)「……!」 相手バッターはライズボールを引っ張り、レフトへ持って行く。 亮平)「んの…野郎!」 《パシィイ!ザザァァーー…!》 審判)「アウトー!」 打球はレフト、高杉君のファインプレーにより、アウトになった。
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