―決勝⑧―

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《ガチャ》 真人)「戻りました」 進)「橘…!」 武流)「大丈夫なのか?」 俺がマウンドに行く用意をしていると、監督が歩み寄って来た。 真人)「はい、影響はないそうです。 ねっ、遼?」 遼)「あぁ…」 佳子)「ですがやはり…」 真人)「心配いりません。 本当に無理だと思ったら、自分でマウンドを降りますから」 主審)「行けるかね?」 すると、日本側のベンチに主審がやって来た。 真人)「はい」 俺は帽子を被りながら答え、ベンチを出る。 武流)「…秋山、交代だ。 入江、用意しろ」 遼)「は、はい」 と、ここで急遽キャッチャーが秋山君から遼に代わった。 武流)「…おまえのリードで何とか橘を引っ張ってやってくれ」 遼)「…わかりました」 『ワァァァァア!!』 実況)『あっ、どうやら橘君は大丈夫のようです! マウンドに橘君の姿が見えます! っと…? ここで守備の交代があるようです! キャッチャーに、同じ高村の入江君! そして、ライトの神田君はセンターへ、的場君が下がり、武内君がライトに向かいます! 更にセカンドには茂木君が入りました!』 真人)「……」 軽い投球練習を終えた俺はロージンに触れる。 軽くなら、まだ痛みは感じなかった。 大丈夫。 まだやれる。 真人)「さぁ…行こうか」  
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