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遼)「……(これで幾分かは熱くなるか…?)」
遼は相手バッターを一瞥しながら次のサインを出す。
《カチャ、ググ…》
真人)「――…っ!」
《ギュォォン!》
敵打者)『っ…!』
遼)「――…!」
《ドシィィイ!》
審判)「ボール!」
3球目は外角に外れ、これで1―2となった。
真人)「ふぅ…(ダメか…熱くなったら、引っ掛けてくれたんだけど…)」
俺は小さく息をついてロージンに触れ、遼のサインを見る。
遼)「……」
真人)「――…!?」
俺は遼のサインに、内心驚いてしまった。
遼が出したサインは…
“内角高めにライズボール”
真人)「……(相手は冷静なんだ…そこは打って下さいのコースだろ…?)」
遼)「……(心配するな、俺を信じろ!)」
遼は小さく微笑みながら頷き、内角にミットを構える。
《カチャ、ググ…》
真人)「――…っ!」
《ギュォォン!》
俺は半ば、やけくそで内角にライズボールを投げた。
《ドシィィイ!》
審判)「ストライーク!」
真人)「ぇ……?」
しかし、相手バッターは内角の甘い球を打たず、見逃して来た。
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