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華穂)「みんな…行っちゃったね」
華穂は俺の隣に立って、飛び去った飛行機を見つめながらそう言った。
真人)「うん…でもこれは別れじゃないから。
…寂しくないよ」
俺はそう言って松葉杖をつきながら出口に向かう。
華穂)「全く…ついこないだまで、私がついてた松葉杖を…まさか真人も使うとはね」
真人)「アハハ…」
俺は苦笑しながら華穂と共に空港を出て、タクシー乗り場に向かう。
華穂はもう、普通に生活するには問題ないらしく人並みに歩いている。
華穂)「帰ったら、部屋の掃除とかしなきゃね」
真人)「父さんも母さんも、それに美穂さんも良く許したよね?」
華穂と同棲することを、反対されるのを覚悟で連絡したが、案外すんなり許してくれ、父さんが手配してくれていた。
華穂)「当然よ!
だって、私が説得したんだからね!」
華穂はそう言ってエヘンと胸を張った。
真人)「あ、帰って掃除が終わったら華穂は英語の勉強しなきゃね」
華穂)「うっ…嫌なこと言わないでよ…」
真人)「大丈夫だよ。
日本英語と違って、こっちは読めれば良いだけなんだから」
華穂)「それでも…なぁ~…」
華穂は深く溜め息をついて肩を落とす。
真人)「頼むよ、これから長いんだからさ」
華穂)「…うん///」
華穂は顔を赤らめながら頷き、俺の服の袖を摘んだ。
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