―スタート―

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世界には、一体どれほどの人が野球を知り、そして野球をしているのか? それは俺にはわからない。 ただ、この大会で出会ったみんなは、根本こそ違えど同じ目的のために互いに全力を尽くした。 自らの成長を、師に見せるために戦った選手。 夢を掴むため、一心不乱に突き進んだ選手。 思いはそれぞれ違う。 でも、全ての選手に共通したことはみんな、野球が大好きだと言うこと。 例え、国が違ったり、人種が違ったりしても、そんなことは関係ない。 プレー中、どんな選手も勝利は共に分かち合い、敗北は共に涙を飲んだ。 そんな当たり前のことが、一番大切なんだ。 そして、これからも俺達はこの果てしない道を歩んで行く。 途中でくじけるかもしれない。 途中で辞めたくなるかもしれない。 そんな不安を抱えながら、人は成長し、そしてまた歩き出すんだ。 だから、迷う必要はない。 少なくとも、俺はもう迷わない。 日本にいる師のため。 仲間のため。 ライバルのため。 俺はこのアメリカと言う新天地で、愛する人と道を歩んで行く。 約束はまだ遠い。 でも必ず果たす。 ――…その時まで…――    
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