こねちゃいけない駄々もある

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こねちゃいけない駄々もある

新紀元24400年 今は絶滅した旧人類、ホモサピエンスの暦、つまり西暦でいうと …西暦25000年のある日の話なんだけど。 僕はホモサピエンスかって? いや、れっきとした現生人類、アミノサピエンスだよ。 金星化して、早2万4千年の地球環境にもめげずに ちゃんと動いてるコロニーの遺伝子管理局で僕は精製されたんだから。 それに、「共振」も使えるしね。 え?共振は何かって?ホモサピエンスにも持つ個体があったらしいけど 脳内のゆらぎ、つまり破壊的感覚を増幅して 意識から解放する能力だよ。 説明が難しい? ようは、さわらないで物を壊す力かな。 話がそれた。 あの日は、僕が精製されてからちょうど17年と360日たった日だったな。 今もだけど基本的に、僕は体力がない。 だから走るとすぐ疲れてしまう。 そんな僕が、全力で走っていた。 足が重い! 腕が他人の腕みたいで力が入らない! 肺がいたい! 吸ってる空気に酸素はあるのか? 血なまぐさいぞ! それでも僕は走っていた。 走って追いかけていた。 日本州で2万5000年前に製作された古典映像作品に サザエさんというものがあり モンゴロイドの女性体が、猫という小型哺乳類を追いかけ回すのだけど 気分はサザエさんだった。
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